Artist
小山真徳 Masayoshi Koyama
てのひら
山と山に挟まれた大井川流域では、対向車が譲り合わなければ通れない狭く険しい道が多々ある。滞在制作の際、対向する軽トラの運転席から、軽く右手を掲げる仕草でこちらに合図をおくるやさしい手のひらを何度も見た。蒸気機関車に乗った時には、SLに向かって手を振るひとびとを車窓からみた。沿線から、温泉の露天風呂から、茶畑から。遠くからでもその小さな手のひらは存在感がありわたしは自然と目で追った。
何気ない手のひらが旅の上では無性に恋しい。わたしはいつまでも変わらない普遍的な情愛のサインである手のひらをこの土地に作ろうと思う。
Artist profile
小山真徳
小山真徳は旅人の視点を軸に制作をしている。「よそ者」として訪れた土地において生活者が普段見出すことのない置き去りにされたものたちに、深い共感を寄せる。
手製の小さな土産品から、伝説上のモノたちが具現化したような巨大な立体まで表現は多岐にわたる。
声高ではないが、古くから土地に存在する信仰と祝祭に気配を纏いつつ、うらぶれた場所にそれら作品は出現する。
CV
2009 東京藝術大学美術学部油画専攻卒業
2011 東京藝術大学絵画科油画専攻修士課程修了
展示会等
2023 奥能登国際芸術祭
2023 中之条ビエンナーレ
2023 のと鉄道アートステーション ポッポヤ・イン・レジデンス
2022 UNMANNED 無人駅の芸術祭
2021 ゆいぽーとアーティストインレジデンス事業 秋季招聘プログラム
2021 UNMANNED無人駅の芸術祭
2018 越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭
2017 奥能登国際芸術祭
過去作品
沢蟹と盃
ボトルシップ
ボトルシップ